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なぜ Zerosend はブラウザ内処理にこだわるのか

ファイルをサーバーにアップロードしない設計を選んだ理由と、ブラウザ内処理の利点・制約を整理します。DevTools の Network タブで自ら検証できる透明性について書きました。

なぜ「送らない」のか

オンラインツールの多くはファイルをサーバーに送信して処理します。利便性は高いものの、ユーザーは自分のファイルがサーバー上でどう扱われるかを自分の目で確認できません。

Zerosend の設計原則はシンプルです。「送らないのが一番確実」。ファイルを外に出さなければ、ログも、漏洩も、第三者共有も原理的に存在しません。

アップロード型ツールのリスク

「処理後に即削除」と書かれているツールを見かけますが、これを利用者側から検証する手段はほぼありません。サービス側のサーバーに一時的にでもファイルが到達する以上、次のようなリスクが残ります。

  • ログへの記録: アクセスログにファイル名やメタデータが残る
  • 従業員によるアクセス: 内部ポリシーによってはサポート担当者などが参照できる
  • セキュリティインシデント: サーバーが侵害された場合、処理待ちや一時保存中のファイルが漏洩する
  • 利用規約の抜け穴: AI 学習や品質改善目的での利用を広く許可していても、ユーザーは気付きにくい

業務文書・医療情報・個人の写真など、機密性の高いファイルを扱う場面では、この問題が深刻です。

ブラウザ内処理で何ができるか

現代のブラウザは、かつてネイティブアプリが担っていた処理の多くを実行できます。

  • Canvas API による画像圧縮・リサイズ・形式変換
  • WebAssembly + ffmpeg による動画・音声の変換
  • pdf-lib / pdfjs-dist による PDF の結合・分割・ラスタライズ
  • File System Access API / Blob / URL.createObjectURL を介したダウンロード

これらは全てクライアントサイドで完結します。インストール不要でブラウザを開くだけで使えるため、作業環境を選びません。

DevTools で自分の目で確認する方法

「送っていません」という主張は、ユーザーが自分で確認できなければ信用するしかありません。Zerosend はブラウザ標準の DevTools で検証できる形にしています。

  1. F12 キーを押す (Mac は Cmd+Option+I) — DevTools が開く
  2. 「Network」タブを選ぶ
  3. 「Fetch/XHR」フィルターをオンにする — API 通信だけを絞り込む
  4. ツールにファイルをドロップして処理する
  5. リストに表示される通信を確認。処理中に外部へのリクエストが起きないことを目視できる

CDN や解析スクリプトへの最小限の通信は残りますが、処理対象のファイル自体が HTTP リクエストのボディに乗らないことは目視で確認できます。

制約もある

ブラウザ内処理は万能ではありません。

  • ファイルサイズの上限: メモリに載る範囲で処理する必要がある
  • 初回ロードが重い: ffmpeg.wasm は約 30MB の WASM を取得する
  • 複雑な処理はサーバーが速い: 大規模な機械学習推論はまだブラウザには重い

Zerosend は「日常的な軽作業をブラウザで完結させる」範囲に絞ることで、この制約の中で価値を出しています。

よくある質問

Q. ブラウザ内処理でも履歴は残りますか? A. ファイルデータはサーバーに送られません。ブラウザの閲覧履歴にはアクセスしたページの URL が残りますが、どの Web サービスでも同様です。ファイルの内容はブラウザのメモリ上で処理され、ページを閉じれば消えます。

Q. オフラインでも使えますか? A. 画像系ツールはページ読み込み後ならオフラインでも動作します。ffmpeg.wasm を使う動画・音声系ツールは初回の WASM 取得にネットワークが必要ですが、取得後はオフラインで処理できます。

Q. スマートフォンでも動きますか? A. Safari (iOS) / Chrome (Android) の最新版で動作します。大きなファイルはスマートフォンのメモリ制限に引っかかる場合があります。

まとめ

「送らない」は、透明性と検証可能性をユーザーに返す設計です。詳しい技術背景は ピラー記事 も参照してください。

関連ツール

Zerosend では画像・動画・音声・PDF の処理をすべてブラウザ内で完結するツールを提供しています。

全ツール一覧は トップページ で確認できます。


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